column

2024/02/29

こころのドクターのひとりごと

君がいた夏パソコンを使ったり、買い物でカードを使ったりするときに、よく暗証番号やパスワードを要求される。そのときに、間違った暗証番号を入れてしまったりすると、冷たく機械に拒否される。それにしても、あちこちで暗証番号やらパスワードを求められて、どれがどの番号だったのか、パスワードだったのかわからない状況に陥ったりする。時には、「オレだよ、俺!」と自分を認めてくれない機械相手に腹を立てたりする。人と人とのつながりが失われつつある現代、セキュリティも大事だけれど、何かしっくりしない気持ちにもなる。家族や恋人に会ったとき、「暗証番号を入力してください。」と言われたら、どうすればいいのだろう?「オレだよ、俺!」にだまされた高齢者は、久しぶりの家族からの連絡と信じて懸命に家族を支えようとしたのではないだろうか?「ただいま。」「おかえりなさい。」そんな何でもないつながりが、今何故か懐かしく愛おしく感じる。暗証番号の要らない、本当の強いつながりがずっと消えませんように・・・by 精神保健福祉センター所長(精神科医)

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