統合失調症

担当 : 障害保健支援課 / 掲載日 : 2024/02/29

統合失調症とは

統合失調症は、脳をはじめとする神経系の病気ですが、脳の機能が全くだめになってしまったり、人間性が失われてしまう病気ではありません。

原因はまだはっきりわかっていません。

過去から様々な仮説がありますが、現在でもその原因については、まだ証明されていません。

  • 親の育て方や環境だけで病気になるのではありません。
  • 遺伝病ではありません(発病のしやすさ、体質的なもろさは伝達されることが考えられます)。
  • 一つの原因によって発病するのではありません。

一般的にはその人の持っている体質的なもろさにストレスが加わり、バランスを崩して発症すると考えられています。そして、それはドーパミンなどの脳内の神経伝達物質の代謝の変動と関係しているようです。

統合失調症のサイン・症状

症状は多彩で人によって様々です

「陽性症状」と言われるものがあります。

  • 人の声や物音、電波やテレパシーなど、そこに実在しない音がきこえてくる体験をします。(幻聴)
  • 間違った考えを修正できなくなったり、被害を受けていると思いがちになります。(妄想)
  • 混乱や興奮のため、まとまりのない会話になります。

このような目立った症状は、発症後まもない急性期に主として見られます。あとに述べる薬物療法が有効な症状です。

 

「陰性症状」と言われるものがあります。

  • 感情の動きが乏しくなったり、まわりに対して無関心になります。
  • やる気がでない、言葉が出にくいなど、意欲や自発性が低下します。
  • 集中力がなくなったり、疲れやすくなり、家にとじこもりがちになります。

このような地味な症状は、周囲から怠け者に見えるなどの誤解を受けることがあります。急性期のあとの消耗期、回復期と言われる時期に主として見られる慢性の症状で、長期的に見守ることが必要です。

統合失調症の治療・支援

経過は個人差があり、回復のスピードはとてもゆっくりです。

治らない病気ではありませんが、ストレスなどで再発を起こしやすいことがわかっています。再発予防をこころがけることが大切です。

近年では、薬物療法やリハビリテーションの進歩により、その予後はかなりよくなってきています。


統合失調症の経過


治療は薬物療法を中心とした統合的な取り組みが必要です。

治療の中心は薬物療法になります。

  • 脳内の神経伝達物質にはたらきかける薬などを服用します。これによって病的な体験は和らぎます。
  • 副作用などの薬についての心配ごとは、主治医と相談しながら調整していきます。症状を抑えるためにも、再発を予防するためにも、最小限の量を飲み続けることが必要です。

 

生活環境の調整、対人関係や日常生活のストレスに対する適切な対処法を身につける事も大切です。

  • 精神療法によって心身の安定をはかったり、SST(社会生活技能訓練)などによって生活技能を高めたり、家族療法などにより家族関係の調整をしたりします。
  • 医療機関や身近な地域(市町村等)でデイケアなどのリハビリテーション活動も行われています。

入院は長期入院することが少なくなっています。

最近では、通院治療が中心となっていますが、本人や家族の状態で、家庭が治療環境として望ましくない場合や、自分や他人を害する危険があるときには入院して治療する必要があります。

 

また、服薬の習慣や日常生活リズムをつけるための入院が必要な場合もあります。

家族・周囲の対応について

今、だいたいどの時期にいるのかがわかると対応がしやすくなります

回復にはほどよい励ましと助けが必要です。

  • 無理な励ましは本人の過剰なストレスとなることがあります。

  • 助けすぎると、経験のチャンスが減り、回復が遅れることがあります。

  • 時間をかけて話し合うことが大切です。

再発のサインについて知っておくことが再発予防になります。

  • 睡眠の障害が見られたり、急に活動的になったり、ささいなことに過剰に反応するなど、再発のサインと見られる症状を知っておくことが大切です。

無理をさけて、ゆっくりと休養するように働きかけることが大切です。

  • なかなか良くならない時に主治医に相談しましょう。



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