【取組紹介Vol.20】多世代がつながる場所を目指して。三里地区の新たなお祭り「みさと演舞祭」の取り組み【後編】

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掲載日 : 2026/07/10

今回は、高知市三里地区で活動する「三サポ連」が初開催したイベント「みさと演舞祭」のインタビュー後編です。

後編では、「みさと演舞祭」当日の様子と、イベントを通して三サポ連が目指す三里地区の未来の姿について詳しく伺いました。

※前編はこちらからご覧いただけます。

 


後編サムネイル

園児たちによるパフォーマンスで幕を開けた「みさと演舞祭」
(写真:高知県子ども・福祉政策部地域福祉政策課)

 

「高知家地域共生社会」では、介護や子育て・就労困難者のサポートなど、分野を超えた包括的な支援体制の整備を進めています。その実現に向けて取り組みを行う県内各地の実践事例をご紹介します。

 

出演者も来場者も、みんなで楽しむ。「みさと演舞祭」が大切にする「WINがいっぱい」の考え方

-「みさと演舞祭」当日は、どのような方が参加していましたか。

私たち三サポ連や介護施設と日頃から関わりのある高齢者だけでなく、高齢者の子ども世代である30代から50代の方、そしてお子さん連れの家族なども幅広く参加してくれました。

参加者数はおよそ800名と、当初の想定以上の来場に驚いています。イベント当日は皆さんの楽しそうな笑顔がそこかしこで見られ、第二回の開催を期待する声が寄せられるなど、地域みんなが楽しめるお祭りになったのではと思います。

 

-当日はステージでの数々の演奏や出し物に加え、屋外ではゲームや軽食コーナーで楽しむお子さんの姿も印象的でした。天気にも恵まれ、第一回「みさと演舞祭」は盛況のうちに幕を下ろしました。


前編3

屋外のお祭り会場では、家族連れを中心に住民の交流や笑顔があふれた


後編3

ステージでは、高知市消防局音楽隊による演奏がフィナーレを飾った
(写真:高知県子ども・福祉政策部地域福祉政策課)

 

-今後の開催も含めて、「みさと演舞祭」の実行において山﨑さんが大切にしたい軸があれば教えてください。

私自身が大切にしている考え方に、「WINがいっぱい」というものがあります。

特定の誰かが得をするのでも、その陰で別の誰かが損をするのでもなく、みんなが得をする状態を実現したいという考え方です。実はこの「WINがいっぱい」という表現は、とある高校生から教えてもらいました。

その高校生は部活動に打ち込んでいて、「私はいつも『WINがいっぱい』の気持ちでやっています」と話してくれました。一人が頑張るのではなく、みんなで楽しく部活動ができるようにしたいという意味が込められた言葉を聞いた時、「これだ」と思いました。

地域も福祉もお祭りも、みんなが勝ち組になって、誰も置きざりにしないことが私の理想とする姿です。みさと演舞祭においても、出演者や来場者、出店者、ボランティアや運営側など関わるすべての人が楽しさや喜びを感じ、つながりを得られる場づくりを目指しています。

そして、最終的には三里全体が「WINがいっぱい」の地区になればいいと思っています。

 

世代を越えて支え合う共生社会へ。三里地区に光を灯し、未来へつなぐ活動

-「みさと演舞祭」によって、今後の三里地区にどのような変化が生まれることを期待していますか。

急激に大きな変化が訪れるというよりは、まずは「この間のお祭り、とても楽しかったね」という会話が地域の中で自然に生まれたら嬉しいなと思います。

その会話をきっかけに、「次はこんなゲストに来てほしい」とか「今度はこんなことをやってみよう」といった、新しいアイデアやコミュニティ形成につながっていくことを期待しています。お祭りの先にある日常生活においても、三里地区の住民同士でつながりが続いていくといいですね。

 

-三サポ連として、これから地域とどのように関わっていきたいですか。

三里地区には、高齢化や防災などの課題がたくさんあります。また、若い世代の住民が減っている過疎化の現実もあります。だからといって悲観するのではなく、私たちにできることから行動を起こし、「三里地区って面白そう」「住んでみたい、帰ってきたい」と思ってもらえる地域にしたいです。

地域に光が当たれば、おのずと人は集まります。まずは知ってもらうことが大切ですので、身近なことから活動を続け、三里地区にスポットライトが当たる状態を目指したいですね。

将来に向けた活動として、現在は小中学校と連携した福祉教育に力を入れており、出前講座の実施や中学生の介護体験などを受け入れています。それらの教育を通して、子どもたちが高齢者や障害のある方にも自然に声をかけられる大人になってほしいと思っています。

 

誰もがつながりを持てる地域へ。「みさと演舞祭」が目指す共生のかたち


後編4

「みさと演舞祭」は、多くの地域住民が共通の思い出をもつ場となった
(写真:高知県子ども・福祉政策部地域福祉政策課)

 

-最後に、「みさと演舞祭」が目指す未来の姿について教えてください。

私たち三サポ連は、日頃から「地域には頼れる人や場所がある」と感じてもらえる状態を目指し、幅広い活動を続けてきました。地域に顔見知りが増え、自然なつながりが生まれれば、孤立防止や見守り、助け合いにもつながっていくと考えています。

特に、高齢者や障がいのある方、子育て世代などが地域で安心して暮らすためには、困った時に声をかけられる関係性がとても重要です。みさと演舞祭を通して世代や立場を超えて交流することで、「この地域をみんなで支えていこう」という意識が少しずつ広がっていけば嬉しいですね。

介護や福祉というと、特別なものや限られた人のものだと考えられがちですが、本来は地域みんなで支え合う身近なものです。イベントなどの楽しいことを入り口にして、世代を超えて人と人とがつながり、やがて安心や支え合いへと広がっていくことが理想です。

みさと演舞祭が単なる1日限りのイベントではなく、人と人とのつながりを育み、地域のコミュニティをより強くするような、未来につながるきっかけになることを願っています。

 

-子どもも高齢者も、誰かを支える人も支えられる人も、みんなが同じ時間を過ごして楽しむことができる「みさと演舞祭」。そこで生まれたつながりが、困ったときに自然と声をかけ合える関係性や、安心して暮らせる地域づくりに発展していくのかもしれません。

これから三里地区で育まれていく新たな交流の場と、三サポ連の今後の活動に期待が高まります。本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

 

 

記事執筆:ことのは舎

 

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