【取組紹介Vol.20】多世代がつながる場所を目指して。三里地区の新たなお祭り「みさと演舞祭」の取り組み【前編】

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掲載日 : 2026/06/29

今回は、高知家地域共生社会推進宣言団体として活動する「三里地域介護サービス事業所連携団体(三サポ連)」にインタビューを行いました。

高知市三里地区にある介護サービス事業所が手を取り合い、「三里を元気にしたい」という想いのもとで立ち上がった同団体。2026(令和8)年より新たな挑戦として始めたのが、多世代が交流できる地域イベント「みさと演舞祭」です。

今回は、三サポ連代表の山﨑さんに、「みさと演舞祭」を立ち上げるに至った背景やお祭りに込めた想いについて伺いました。

 


前編サムネイル

「みさと演舞祭」の準備に携わった、三里地区の多様な人々
(写真:三サポ連)
 

 

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三里地域介護サービス事業所連携団体(三サポ連)

高知市三里地区にある介護サービス事業所(8法人16事業所)が連携し、地域課題の解決やつながりづくりを目的に設立した団体。2023(令和5)年8月の発足以来、介護や福祉の枠を越えて地域住民・企業・学校・行政と連携しながら、認知症予防の啓発や福祉教育、地域イベントの開催など幅広い活動を展開している。

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「高知家地域共生社会」では、介護や子育て・就労困難者のサポートなど、分野を超えた包括的な支援体制の整備を進めています。その実現に向けて取り組みを行う県内各地の実践事例をご紹介します。

 

介護事業所の連携によって地域全体を支える「三サポ連」の活動


前編2

(作成:ことのは舎)

 

-はじめに、三サポ連の概要について教えてください。

三サポ連は、高知市三里地区にある介護サービス事業所が集まった有志団体です。現在は8法人16事業所が参加しています。

特徴としては、同じサービス種別ではなく、さまざまな職種が一緒になって活動していることが挙げられます。デイサービス、通所リハビリテーション、訪問看護、ショートステイや居宅介護支援など、事業内容も規模も異なる事業所が連携しています。

ここまで多様な介護事業所が地域活動を目的に集まっている事例は、全国的に見ても珍しいのではないかと思っています。

 

-団体の設立に至った背景についてお聞かせください。

私が三里地区で介護事業を始めた20数年前は、介護サービスを行う事業所はそれほど多くありませんでした。しかし、年月が経つにつれて事業所が増え、それぞれが地域との関係づくりに取り組むようになりました。

ただ、一つの事業所でできることには限度があります。止まらない高齢化の進行、独居高齢者の増加、そして介護人材の不足といった地域課題を解決するには、事業所同士の連携が欠かせません。

各事業所が持つ専門性・経験・人材と、それぞれが築いてきた地域とのつながりを持ち寄れば、単独では難しい取り組みも実現できるかもしれないと思いました。そこで、三里地区の介護サービス事業所に対して「一緒に地域を盛り上げましょう」と声をかけ、三サポ連を設立しました。

 

-三サポ連では、普段どのような活動をしていますか。

介護・福祉に関する出前講座の開催や、小中学校と連携した福祉教育に加え、高知県をはじめとする自治体・関係団体との協定を締結するなど幅広い活動を行っています。

また、近年の取り組みとして特徴的なものの一つに「歩く介護相談窓口」があります。介護の相談先としては地域包括支援センターなどの窓口がありますが、高齢の方は窓口まで出かけるのが大変だったり、相談すること自体にハードルの高さを感じています。

そんな課題を乗り越えるため、三サポ連では地域の中で介護職をもっと身近に感じられるよう、リストバンドを作成して介護職員や民生委員が身につけることにしました。スーパーで買い物をしていると「介護の人なんですね。頑張ってね」と声をかけていただく機会もあり、三里地区内での介護職への認知度は少しずつ上昇しています。

また、2026(令和8)年には「三里地区 暮らしの便利帳」を発行しました。介護事業所、配食サービス、病院・薬局、生活支援サービスなど、地域で暮らすための情報をまとめた冊子です。地域のスーパーや銀行に設置し、住民の皆さんが自由に手に取れるようにしました。

 

パフォーマンスでみんなを笑顔に!住民の声から生まれた「みさと演舞祭」


前編3

「みさと演舞祭」実行委員による準備風景
(写真:三サポ連)

 

-2026(令和8)年からの新たな取り組みである「みさと演舞祭」とは、どのようなお祭りですか。企画に至った経緯についても教えてください。

みさと演舞祭は、子どもから高齢者まで多世代の人々が参加できる地域交流イベントです。

きっかけは、高知市老人クラブ連合会が2025(令和7)年10月に開催した「三里ブロック 健康まつり」で、三サポ連の職員がステージで出し物をしたところ、地域の皆さんがすごく喜んでくれたことです。

音楽・ダンス・歌などのパフォーマンスには、世代を越えて人に元気を与える力があると感じました。また、地域住民の皆さんからも「ステージの出し物を中心としたお祭りをしてほしい」という声が寄せられ、みさと演舞祭の企画がスタートしました。

ステージでは演舞や演奏、屋外では遊びや食事ができる交流の場を用意し、子どもからお年寄りまで多世代が楽しみ、出会い、笑顔でつながるイベントをコンセプトとしています。

 

-「みさと演舞祭」の運営メンバーはどういった方で構成されていますか。

三サポ連のメンバーを中心としながら、老人会やボランティア団体、民生委員・町内会・高知市社会福祉協議会、さらに地域の企業や個人といった多様な方々が携わっています。

また準備期間中には、地域の皆さんから「みさと演舞祭のポスターをうちの店に貼りますよ」「チラシを配りましょうか」とたくさん声をかけていただきました。こちらからお願いせずとも、お祭りを盛り上げるために行動してくれる方がいることは、とてもありがたいです。

誰か一人だけが頑張るのではなく、それぞれができることを持ち寄って一緒にお祭りをつくる中で、三里地区に新たなネットワークが生まれつつあります。

 

世代を越えてつながる地域の輪を「みさと演舞祭」からもっと広げたい


前編4

お祭りには準備段階からさまざまな世代の人が関わった
(写真:三サポ連)

 

-ここまでお話を伺って、三里地区は非常にあたたかなつながりのある地域だと感じます。

そのような雰囲気は、団体の立ち上げ以前からあったのでしょうか。

三里地区では以前から「顔は知っているものの関わる機会が少ない」とか「世代間交流が減っている」といった課題がありました。

特に高齢者や障がいのある方は、人とのつながりを持つ機会が限られやすく、社会的孤立に陥るリスクもあります。加えて、コロナ禍によって人と人との関係性が希薄になり、世代同士が分断されている状況に危機感を覚えていました。

そのような中で三サポ連を立ち上げた当初は、「いったい何をする団体なんだろう」と距離を置かれていた部分もありました。私たちが目指す姿について説明し、行動を積み重ねていくうちに、徐々に「三サポ連は本当に地域のためを思って動いているんだ」ということが伝わったのかなと思います。

今回のみさと演舞祭の企画を通して改めて感じたのは、主催者だけでなく地域の皆さんもお祭りを求めていること、そして「三里が好き」という気持ちをみんなが共通して持っていることです。みさと演舞祭が、参加者同士の新たな交流を生む場になればと思っています。

 

-「みさと演舞祭」は単なるお祭りではなく、地域で暮らす人々が顔見知りになり、楽しみながら自然なつながりを持つきっかけとなるイベントです。

介護や福祉という言葉に少し距離を感じる人でも、まずは足を運び、同じ時間を過ごしてみる。そんな出会いが、これからの地域を支える力になっていくのかもしれません。

後編では、「みさと演舞祭」当日の様子と地域住民から寄せられた反応、そして三サポ連が描くこれからの三里地区の姿について詳しく伺います。

 

 

記事執筆:ことのは舎

 

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