【取組紹介Vol.2】 地域の魅力に気づき、地元がもっと好きになる「中筋地域交流館友の会」の取り組み<後編>

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掲載日 : 2024/09/24

「高知型地域共生社会」では、介護や子育て・就労困難者のサポートなど、分野を超えた包括的な支援体制の整備を進めています。その実現に向けて取り組みを行う県内各地の実践事例をご紹介します。
今回は県西部の四万十市で休校中の中学校の校舎を活用して地域交流を深める「中筋地域交流館友の会」のインタビュー後編です。150人以上が訪れた「地域交流会」の詳細と、今後の活動の展望について会長の橋田さんにお話を伺いました。

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中筋地域交流館友の会とは
令和4年3月に休校となった、四万十市立中筋中学校の校舎を有効活用して住民の憩いの場を提供しています。毎月第2日曜日の「交流館の日」にはスポーツや手芸など様々な教室を開き、今春には初の「地域交流会」として150人以上が集まる大規模な交流活動も開催。地域住民の暮らしを豊かに彩っています。
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※前編はこちらからご覧いただけます。

 

150人が参加!みんなの笑顔が集まった「地域交流会」


中筋地域交流館友の会・地域交流会

150人が参加した地域交流会(写真:中筋地域交流館友の会)

 

-今年春に開催した「地域交流会」の開催の背景について教えてください。

四万十市の地域おこし協力隊の方と一緒に中学校の片付けをする中で、「中筋中学校に来たことがない方もいるだろうから、この校舎に地域の皆さんを招く機会があると楽しそうだ」という案が持ち上がりました。
そこで何かイベントができないかと考え、以前から「より多くの地域住民に参加いただける催しをしたい」という想いもあったことから、毎月の「交流館の日」の拡大版として5月に「地域交流会」を企画・開催するに至りました。
毎月実施する「交流館の日」では様々な講座を開いていますが、事前申込制であることから、参加しづらいという声も以前から聞かれていました。それを受けて「地域交流会」は事前申込不要の自由参加としたところ、予想を超える150人もの参加があり、その反響に驚くとともに嬉しさでいっぱいでした。

 

-「地域交流会」ではどういった企画を実施しましたか。

毎月の開催内容をいくつか集めて、フラダンス・バランスボールや四万十市社会福祉協議会によるパラスポーツの紹介・体験といった身体を動かすものや、学びの部分では市の地震防災課による講座、そしてフリーマーケットやお子さん向けにはクイズラリーを実施しました。
少し休憩できるスペースとしてカフェも用意し、地域のコーヒー屋さんから道具をお借りして1杯100円で美味しいコーヒーを提供しました。地域のお菓子教室の先生がカヌレを提供してくださって、一休みするのにちょうど良いと参加者の皆さんにも好評でした。


中筋地域交流館友の会・フリーマーケット

地域交流会で開催されたフリーマーケット(写真:中筋地域交流館友の会)

 

多彩な広報手段を使い、地域外からも多くの人が参加

-イベントの広報はどのように進めましたか。

イベントのチラシは地域おこし協力隊の方が作ってくれました。地域の集会所やお店などに置いてもらう他、ポスターにして掲示もしました。あとは地域の回覧板で回したり、SNSで告知してくれる方もいて、情報が少しずつ広がっていきました。
さらに地区内放送も活用して呼びかけを行いました。開催の一週間前と前日の合計2回、夕方の時間帯に放送をしたところ、それを聞いて当日来てくださった方もいました。チラシやポスターを見た方でも開催日を忘れている場合も多いので、地域内へのお知らせでは放送がかなり有効だったと思います。


中筋地域交流館友の会・交流会

地域おこし協力隊が作ってくれたイベントチラシ(写真:CRAFT5 Inc.)

 

-当日はどういった方が来場されましたか。また参加者の声についても教えてください。

四万十市だけでなく、土佐清水市・宿毛市・黒潮町から来てくださった方もいました。参加者の年代は保育園児から90歳まで、中学生・高校生や親子で来ている方もたくさんいました。
アンケートでは、「毎月の交流活動に興味はあるけど、回覧板や電話で申し込むのが億劫でなかなか参加できなかった」という声がありましたが、今回の「地域交流会」は事前申込不要で、しかもコーヒー代以外は無料なのでかなり参加のハードルが下がったようです。会場への出入りも自由ですし、お子さんたちが楽しめるものを用意したことも良かったのかもしれません。

 

友の会が生み出す住民同士の温かいつながり


中筋地域交流館友の会・フラダンス

地域交流会で披露されたフランダンス(写真:中筋地域交流館友の会)

 

-第2回の「地域交流会」は今年秋に開催予定とのことですが、どんなことをする予定ですか。

次回は11月9日(日)に開催予定ですが、秋にちなんで芸術を中心とした内容を検討しています。絵や陶芸・パッチワークなどの趣味を持つ方が地域にたくさんいますので、教室を会場にして皆さんの個展を開くイメージで、それぞれの作品を展示出来たらと考えています。
地域の皆さんが活躍する場や特技を知ってもらう場が生まれればいいと思いますし、友の会としても1年間の活動の集大成、いわば文化祭のような気持ちで準備を進めています。校舎の3階は見晴らしがよく、線路を走るくろしお鉄道の様子も見えて景色も楽しめる場所です。参加してくださる皆さんにはぜひ風景も含めて楽しんでもらいたいと思います。

 

-最後に「中筋地域交流館友の会」の今後の展望についてお聞かせいただけますか。

今回の「地域交流会」で得た収益はすべて、令和6年4月に宿毛で発生した地震被害の義援金として寄付しました。金額としては微々たるものですが、今後も友の会の取り組みを通して地域のためになることができればと思います。
令和5年1月から発足した友の会は、おかげさまで地域住民の皆さんや役員の皆さんに支えられ、様々な活動を続けることができています。しかし、まだまだイベントの開催内容や告知方法で工夫が必要だと感じています。子どもたちを含めた若い世代にももっと参加してほしいという想いもありますので、地域の皆さんの笑顔を原動力に、これからもみんなで力を合わせて交流の場づくりを進めます。

 

-初めての試みにもかかわらず、大好評のうちに終了した第1回「地域交流会」。第2回の準備も着々と進んでおり、住民の皆さんの期待も高まります。これからも人々の温かな拠り所として様々な活動を続けていく「中筋地域交流館友の会」は、地域にとってなくてはならない存在だと感じました。橋田さん、お話をお聞かせいただきありがとうございました。


記事執筆:ことのは舎
編集:株式会社CRAFT5



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