【取組紹介Vol.2】 休校中の中学校が集いの場に!地域交流の新たな形「中筋地域交流館友の会」の取り組み<前編>

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掲載日 : 2024/09/20

「高知型地域共生社会」では、介護や子育て・就労困難者のサポートなど、分野を超えた包括的な支援体制の整備を進めています。その実現に向けて取り組みを行う県内各地の実践事例をご紹介します。
今回は県西部の四万十市で休校中の中学校の校舎を活用して地域交流を深める「中筋地域交流館友の会」会長の橋田さんに、具体的な活動内容や利用した地域の人々の声、活動によって生じた変化についてお話を伺いました。


中筋地域交流館友の会・橋田会長

「中筋地域交流館友の会」の取り組みについて語る橋田会長(写真:CRAFT5 Inc.)

 

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中筋地域交流館友の会とは
令和4年3月に休校となった、四万十市立中筋中学校の校舎を有効活用して住民の憩いの場を提供しています。毎月第2日曜日の「交流館の日」にはスポーツや手芸など様々な教室を開き、今春には初の「地域交流会」として150人以上が集まる大規模な交流活動も開催。地域住民の暮らしを豊かに彩っています。
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中筋中学校を守り活かしたい。住民発信で始まった友の会


中筋地域交流館友の会・活動概要

作成:ことのは舎

 

-はじめに、「中筋地域交流館友の会」(以下、友の会)の概要について教えてください。

大きく分けて3つの活動があります。1つ目は毎月第2日曜日の午後2時から開催している「交流館の日」の活動です。地域の子どもからお年寄りまで参加して楽しめることをコンセプトに、お料理教室やフラワーアレンジメント、運動、ものづくりなど様々な内容を企画・実施しています。
2つ目は中筋中学校の保守管理です。14人の役員で4班に分かれ、当番制で毎週水曜日に掃除や除草作業を行います。また草刈りも定期的に行い、休校中の中筋中学校をきれいに保つ活動を市からの委託のもとで続けています。
3つ目がクラブ活動で、今は卓球とバランスボールの2つのクラブがあります。卓球クラブは中筋中学校の卓球部OBの方が指導して下さり、地域住民10人ほどが毎回参加します。そして最近発足したバランスボールクラブは、インストラクターがストレッチや音楽に合わせたバランスボールの運動を教えてくれます。どちらのクラブも幅広い年齢層の方が参加し、毎回楽しく練習をしています。

 

-友の会の設立に至った背景についてお聞かせください。

四万十市が令和2年に策定した「地域福祉計画」を推進するため、四万十市社会福祉協議会と有志の住民とで座談会を開催する中で、中筋地域の地域活性化策として「休校中の中筋中学校を交流の場にするのはどうか」という案が持ち上がったのがきっかけです。令和4年7月から半年間の準備期間を経て令和5年1月に友の会が発足し、様々な交流活動を開催するようになりました。
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地域福祉計画とは
平成30年4月の社会福祉法改正により、市町村による地域福祉計画の策定が努力義務となりました。地域福祉計画は、地域における高齢者・障害者・児童その他の福祉の各分野における共通的な事項を記載する、福祉の上位計画として位置づけられています。
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「交流館の日」が温かなコミュニケーションのきっかけを生む


中筋地域交流館友の会・スポーツ

グランドゴルフで交流を深める地域の皆さん(写真:中筋地域交流館友の会)

 

-毎月第2日曜日に開催する「交流館の日」では、どのような内容に取り組んでいますか。

お菓子やうどんなどの料理教室や、スポーツではモルックやグラウンドゴルフ、他にはフラワーアレンジメント教室、防災や健康問題に関する講座などを行っています。特に人気のある講座は料理系です。7月は柑橘類を使ったムースを作ったのですが、初めて親子連れの参加がありました。毎回およそ15人から20人くらいの参加者が集まってくださり、ありがたく思っています。

 

-多種多様な講座を開いているのですね。講師はどうやって見つけているのでしょうか。

地域には色々な情報を持っている方がいるので、そのネットワークを活かして「あの人はうどん作りが得意だよ」「こんにゃくを作れるらしいよ」といった形で地域の中で趣味や特技を持っている方を積極的に見つけて、協力をお願いしています。もちろん地域住民だけではまかなえない分野については、外部から専門的な方を招く場合もあります。先日は睡眠講座を開催し、高知市の医師に講師をお願いしました。

 

「一人じゃない」を実感!地域交流で深まる住民の絆


中筋地域交流館友の会・クラブ活動

クラブ活動を通して新たな人と触れ合う地域の皆さん(写真:中筋地域交流館友の会)

 

-「交流館の日」に参加した皆さんからは、どのような声が寄せられますか。

毎回、交流活動の際はアンケートを取っています。(1)交流活動に対する評価、(2)生活に役立つ情報があったかどうか、(3)今後の活動に対する意見、これら3点を簡単に書いてもらっています。
回答では「いつも開催してくれてありがとう」「毎回楽しく参加している」「普段会うことのない人と交流ができて良かった」という声を多くいただき、また次も頑張ろうという励みになっています。今度はこんな内容をやってほしいといった要望もあるので、それを参考に次の交流活動の計画を立てることもあります。

 

-地域のつながりによって住民同士の交流が深まっているのはとても素敵ですね。

同じ地域に住んでいても接点がない人は多いので、新しい人と触れ合うことができて嬉しいという声は私たちの励みになります。私も中筋地域に長年住んでいますが、若い方々とはなかなか知り合う機会が少なく、交流活動を通してどんどん顔見知りが増えていくのはとても楽しいと感じています。

 

-地域住民の皆さんにとって、友の会はどういった存在でありたいと思いますか。

地域で暮らすことの楽しさを感じられたり、人々の交流によって地域が明るくなるなど、皆さんの心のよりどころになれれば良いなと考えています。高齢者の方も含めて「一人じゃない」と感じられること、人同士の温かいつながりを大切にしていきたいです。
この取り組みは会長の私や一部の役員だけではとても手が回りません。いつも応援してくださる方々の協力があってこそ友の会の活動の継続につながっているので、皆さんの存在は本当にありがたいと思っています。
中筋地域は公共交通機関の便数が少なく、高齢者の方は出かけることも難しい状況です。交流活動のアンケートからも、「新しい知識に触れたり趣味にできるような教室があれば地元でやりたい」と考える方が多いことが分かったので、これからも様々な講座を開催していきたいと思います。


前編では、「中筋地域交流館友の会」の概要や毎月の交流活動の内容、参加者の声などについてお話を伺いました。後編では、春と秋の年2回開催する大型イベント「地域交流会」と、友の会の今後について詳しくご紹介します。

記事執筆:ことのは舎
編集:株式会社CRAFT5



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