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- 【取組紹介Vol.25】いつもの買い物から広がる、地域のつながり 株式会社末広の取り組み【前編】
土佐町田井にある「末広ショッピングセンター本店」
今回は、高知家地域共生社会推進宣言団体である「株式会社末広(土佐町)」にインタビューを行いました。
地域に根差したスーパーマーケットとして、地元の食材や商品を積極的に扱い、嶺北の食を支えてきた同社。前編では、代表取締役社長の谷脇敦さんに、会社を継いだ経緯や経営理念に込めた思い、地域との関わりについて伺うとともに、本店のイートインコーナーを訪ね、地域の人たちが過ごす様子も取材しました。
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株式会社末広
高知県土佐郡土佐町に本社を置く、1958(昭和33)年創業の地域密着型スーパーマーケット。「末広ショッピングセンター本店」を中心に、土佐町と大豊町で計3店舗を展開しています。通信販売も手がけ、近年は食品メーカーとして自社商品の販路拡大にも注力。「地域になくてはならない会社を創る」という経営理念のもと、地域の食と暮らしを支えています。
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「高知家地域共生社会」では、介護や子育て・就労困難者のサポートなど、分野を超えた包括的な支援体制の整備を進めています。その実現に向けて取り組みを行う県内各地の実践事例をご紹介します。
土佐町へ移り、末広を担う立場へ
-谷脇さんが末広に入社し、会社を継がれた経緯を教えてください。
私は香川県高松市で育ち、大学卒業後は会社員として約10年間働きました。高知への転勤をきっかけに妻と知り合い、結婚したのですが、妻の家業が「末広」だったんです。結婚後、私は香川で仕事を続け、妻は土佐町で家業に携わっていたため、しばらくは週末ごとに行き来していました。
長女が生まれたことを機に、家族そろって暮らしたいと考えるようになり、私が土佐町へ移って末広に入社したという経緯です。当時はまだ会社を継ぐと決めていたわけではなく、入社後はさまざまな現場で経験を積みましたね。
2代目社長だった妻の父は、有機農業にも力を入れていて、農業に専念するため社長を退きました。その後は妻の母が3代目を務め、やがて私たちが経営を引き継ぐことに。私が社長に就任して、もうすぐ10年になります。
受け継いだ理念を、日々の仕事で形に
-経営理念の一つに「地域になくてはならない会社を創る」と掲げています。どのような思いで受け継いでこられましたか。
この理念をつくったのは、3代目社長だった義理の母です。私が社長になる時に見直すことも考えましたが、自分なりにつくろうとしても、よく似た内容になったんです。目指している方向は同じなのだと気づき、それなら変える必要はないと思って、そのまま受け継ぎました。
今もこの理念は、日々の店づくりや仕事に向き合ううえでの大切な軸です。入社したばかりの人もベテランも、お客様から見れば同じ末広のスタッフ。一人ひとりがプロとしてお客様に向き合うことが、理念を仕事で形にすることにつながると考えています。
-商品を通じても、地域とのつながりを大切にされているそうですね。
惣菜に使うお米は、長年、嶺北の契約農家さんから仕入れています。野菜や肉も、できるだけ地元のものを選びたいですね。店頭に並べる商品についても、嶺北や高知でつくられたものを積極的に扱っています。地域でつくられたものを、地域の皆さんへ届ける。それも私たちの大切な役割です。
買い物のついでに、思い思いの時間を
イートインコーナーに設置されたセルフ式のコーヒーマシン。購入したコーヒーを飲みながら、ゆっくり過ごせる。
-本店のイートインコーナーは、どのような目的で設けられたのでしょうか。
地域の方が買い物のついでに気軽に立ち寄れる、ちょっとした憩いの場になればと思い、設置しました。コーヒーマシンを置き、無料Wi-Fiも利用できるようにしています。
朝は常連の方、お昼前には家族連れが多く、小学生や中学生がゲームや宿題をしていることもあります。県外から訪れた方が食事をする姿も見かけますね。
今日もコーヒー片手に。顔なじみが集う、いつもの場所
明るく開放的なイートインコーナー。立ち寄った人たちの間に、自然と会話が生まれる。
取材で訪れた午前中、イートインコーナーでは、男性たちがコーヒーを片手に談笑していました。皆さん地元の方で、買い物のついでに週に何度も立ち寄っているそうです。もともと知り合いだった方ばかりではなく、ここで顔を合わせるうちに親しくなった人もいるといいます。
「来るのが楽しみというより、もう習慣になっちゅう」
そう話す皆さんは、冗談を言い合いながら、はつらつとした笑顔を見せてくれました。誰かの姿が見えない日には、「今日はどうしたんだろう」と、気になってしまうそうです。
店内の一角にあるイートインコーナーは、地域の人たちにとって、まるでなじみの喫茶店のような存在になっていました。
買い物をする。コーヒーを飲む。顔を合わせ、何げない言葉を交わす。「末広」は地域の食を支えるだけでなく、日々の暮らしの中で人と人がつながる場にもなっています。
後編では、商品とともに安心を届ける移動スーパー「とくし丸」に同行し、買い物支援と見守りの取り組みをご紹介します。
記事執筆:是永 裕子
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